１９５９年釧路生まれの釧路育ち。
父の仕事の関係で小学校６年間は標茶という当時人口２万人ほどの町で育ちました。山に囲まれたのどかなところで、夏は自転車で野山を駆けめぐり、冬は近くの山でスキーと自然に恵まれたところでした。父が歯科技工士であったためもあり、この頃から漠然と歯科に関わる仕事がすり込まれていた気がします。
小学校を卒業と同時に父が歯科医院の勤務技工士から独立し、釧路で歯科技工所を開設しました。自宅に併設されていたこともあり、毎日が歯型の模型や製作物に囲まれた生活でした。中学、高校時代は時折、簡単な作業などは手伝う事もありましたので、物作りの楽しさや厳しさも身近に感じていましたし、当時、取引させていただいていた歯科医院に製作物を配達に行くこともあり、父の製作した物が実際に患者さまの口の中に装着されるのを見学させてもらうこともありました。
もう４０年以上前の話ですが、父が技工所を始めようと思い立った頃、メタルボンド（俗にいうセト歯・セラミック）が一般に流通し始めた頃で、当時はメタルボンドを作成するためには東京まで研修に行かなければなりませんでした。我が家は決して裕福な家庭ではなかったので、何度か研修に通い、新しい設備を整えるには相当な費用がかかり、この頃は「うちって貧乏だよな〜」と思いながらも、一生懸命働く父の背中を見ながら、子供心に「将来は歯医者に」という気持ちが芽生えていきました。
１９７９年北海道医療大学歯学部入学。
教養課程の２年間はちょっと怠け気味の生活を送ってしまいましたが、３年になるといよいよ専門課程に入り歯科医になるための科目が目白押しになってきます。実際に技工物（被せ物や入れ歯など）を作る実習もあり、この時は父の仕事を見聞きしていたことが本当に役に立ちました。しかし気を抜くとあっという間に赤点、落第なんて事もあります。特に５、６年はほんとに勉強しました。卒業時の国家試験時には脳みそに隙間がないのではと思うくらいしました。この間、口腔病理学教室の医局へよく出入りさせてもらい、当時の故奥山教授、現在の賀来教授には本当にお世話になりました。
１９８５年国家試験も無事通り、晴れて歯科医師として第一歩を踏み出す。
まだ、右も左もろくにわからぬ状況で釧路林田クリニック歯科部及び林田歯科医院にて研鑽を積むこととなりました。
５年半の間、林田先生には歯周病、歯内療法、補綴、口腔外科・・・数え切れないくらい様々な事を教えていただきました。また当時、世界的に著名な歯周病の先生の講演会、研修会への参加はもとより、様々な講習会に参加させてもらいました。私の原点はここにあると思っています。本当に感謝の念に堪えません。
１９９０年１０月たなか歯科クリニック開院。
開業してから現在まで、ここまで本当にあっという間でした。しかし医療の世界は日進月歩です。時流に流されぬよう日々研鑽は欠かせません。来院していただいた皆さまが安心して通っていただけるクリニックづくりを目指して頑張ります。