女性ホルモンと歯周病
歯周病は歯の周りの病気と読むとおり、歯を支えている周りの組織(歯肉や歯槽骨)に炎症を起こしてしまう病気です。
初期の段階では自覚症状が無いので気が付きにくく、20歳代からすでに歯周病にかかりはじめ、30歳以上の8割に何らかの歯周病の症状があると言われます。
歯周病はどんな病気
・歯肉が赤く腫れ、歯ブラシをすると出血がある。
・最近口臭が気になる。
・歯肉から膿が出ることがある。
・歯がグラグラ動いてきた。
これらの症状がさらに悪化すると最後には歯が抜けてしまうことになります。
つまり歯の周りの組織、歯周組織を壊す恐ろしい病気が歯周病です。
歯周病は高血圧や糖尿病などの慢性疾患と同様に、静かに進行する病気です。
生活習慣病の一種といえます。
痛みが無く静かに進行するため自覚症状が無く、気が付いたときには重度に進行しているのです。
このため中高年が歯を失う1番の原因なのです。
その原因は?
歯垢(プラーク)ということばを聞いたことはありますか?
歯の汚れを餌としてお口の中で繁殖した細菌が様々な物質を作り、さらにこれらと一緒に歯に付着したものが歯垢です。
さらに歯垢が歯ブラシで採りきれずに石灰化したものが歯石となります。
歯石は歯ブラシでは取ることはできません。
歯石が歯垢の温床となりこれがさらに感染を招きます。
この感染が次第に歯と歯肉の間に入り込み隙間(歯周ポケット)を作るのです。
結果、歯周組織が破壊され歯周病が進行していくことになります。
女性ホルモンと歯周病
歯周病は男性に比べると女性の方がかかりやすいといわれています。
女性が歯周病にかかりやすい時期は3回あります。
女性ホルモンの分泌はそのライフステージによって変化します。
これは思春期、妊娠出産そして更年期の3回に大きく変化するのです。
女性ホルモンの分泌が増えると、歯肉内の血流量が増えて刺激に対して過敏になるため、歯肉が腫れ出血しやすくなるのです。
また普段の月経周期によっても変化するため、生理前に歯肉が腫れる人もいます。
結果、歯肉炎を起こしているところは、細菌に感染しやすく気が付かないうちに歯周病に進行しやすいのです。
しかしながら、必ずしも歯周病が進行するわけではありません。
普段からお口の中のケアを地道にすること。
定期検診や歯科衛生士によるお口のケアが大切なのです。