むし歯にならないために
9月も半ばになり、少しずつ秋が深まってきました。
食欲の秋、果物や新鮮な野菜、スウィーツも秋ならでは美味しそうなものがいっぱいです。
ついつい食べ過ぎてのメタボも心配ですが、むし歯も心配ですね。
お口の中には様々な細菌が住んでいます。
その種類は数百に及ぶと言われています。
むし歯はその細菌が原因といわれていますが、どのような細菌が悪さをしているのでしょう。
むし歯はどうやって作られる?
むし歯を作る細菌として「ストレプト・コッカス・ミュータンス菌」というのを聞いたことはありますか。
「ミュータンス菌」はテレビのコマーシャルなどでも良く聞くことがありますよね。
これはむし歯を作る原因の菌として最も病原性が高いものです。
(写真・ウィキペディア引用)
顕微鏡では上の写真のように見ることができます。
「ミュータンス菌」は甘いものが大好きです。
ケーキや炭酸飲料、スポーツドリンクにも含まれる糖を餌にしてネバネバしたものを作ります。
これをもとに歯垢(プラーク)が作られるのです。
歯垢は「歯磨きについて」でも書いたとおり、次の場所にたまりやすいです。
1.歯と歯の間
2.奥歯の噛み合わせ
3.歯と歯肉の境目
4.歯並びが悪くデコボコしている所
この歯垢(プラーク)は1mg中に1億個にも増えるのです。
ここに住み着いた「ミュータンス菌」などのむし歯菌が食べ物に含まれる糖質から酸を作り出します。
この作り出された酸によって歯の表面が徐々に溶かされ、むし歯となっていくのです。
むし歯が進行するとは?
むし歯になるというのは「ミュータンス菌」などのむし歯菌が原因であることがわかりました。
生まれてすぐの赤ちゃんのお口の中には、むし歯菌はいません。
しかし成長していくうちに周りの環境や家族などから徐々に受け継ぐことになります。
乳歯はハイハイする頃から生え始めますが、うっかりすると歯が生え揃う2〜3歳になる頃にもうむし歯ができてしまった。
ということになりかねません。
むし歯はむし歯菌が媒介する感染症です。
放置しているとどんどん進行してしまいます。
むし歯の進行度
むし歯の進行度はCo~C4などという言葉で表します。
Co:歯の表面のエナメル質が白濁し、むし歯になる一歩手前の状態。まだ穴もあいていません。
C1:むし歯がエナメル質まで進行しているが留まっているもの。(ほとんど無症状)
C2:象牙質まで進行したもの。(歯がしみる。冷水痛など。)
C3:歯髄(歯の神経)まで進行したもの。(お湯がしみる。甘いものがしみる。ズキズキと痛む)
C4:歯の頭の部分(歯冠部)が崩壊して、根だけが残った状態。(自発痛や腫れなど。)
(図・ライオンHPより)
むし歯にならないために
(図・ライオンHPより)
むし歯ができる様子を図にしてあります。
歯の質、糖質(主に砂糖)、細菌(むし歯菌)の3つの輪が重なったところに時間が加わるとむし歯になります。
逆に言えばこのどれか一つがかけるとむし歯にはなりにくくなるということです。
1.歯が一つも無い人はもちろんむし歯になりようがありません。
もちろん、一本でも歯があればむし歯になるリスクはあります。
2.糖質(砂糖)も一つも摂らなければ、むし歯になりません。
しかし、糖質を減らすことはできますが全く摂らないというのは現実的に不可能です。
3.むし歯菌が一つもいなければむし歯にはなりません。
これは歯ブラシをすることでむし歯菌を減少させることができます。一番現実的な方法ですね。
むし歯予防にとって最も大切なのは適正な方法の歯ブラシです。
むし歯の原因になる歯垢(プラーク)を取り除くことです。
しかし歯みがきだけでは落ちない汚れや歯石がくせ者なのです。
また初期のむし歯は出来てしまっていても気付かないことがあります。
歯周病も含めて3〜4ヶ月ごとの定期検診やメンテナンスが重要です。