初期のむし歯

新入学・新学期の季節ですね。

学校では歯科検診が行なわれます。

子どもの頃、C1とかC2とチェックされませんでしたか?

これはむし歯の進行を表す用語で、Cは虫歯を意味するカリエス(Caries)のことです。

むし歯の進行段階はCOからC4までの5段階あります。

 

初期むし歯とは?

学校の歯科検診ではCO(シーオー)と診断されるのが初期むし歯です。

Oは数字のゼロではなく、英語のオブザベーション(Observation 観察)のオーです。

要観察歯のことで初期むし歯・むし歯になりそうな歯または穴があく一歩手前の歯などとも言われます。

 

どんな状態?

  痛みなどの自覚症状がなく見た目も健康な歯とほとんど変わりません。

  そのため見逃しやすいのが特徴です。

  よく見るとエナメル質の表面が白く濁っています。

  歯の断面をレントゲン写真で見ると表面は健康な部分と同じように白く写るのに、歯の内部はミネラルが溶け出していて密度が低く暗く写ります。

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  治療は?

  要観察歯ということで歯科ではすぐに治療せずに様子を見ます。

  しかしこの早い段階でのケアがとても重要です。

  穴があくほど進行してしまうと元に戻ることがないので歯科での治療が必要になってしまいます。

  ただし初期むし歯の段階ならば毎日のセルフケアで歯を修復することで健康な状態に戻せる可能性があります。

 

有効な手段は?

初期むし歯を修復するにはどうしたら良いでしょう。

初期むし歯は歯の表面がむし歯菌の作る酸で溶けた状態です。

これには唾液中のカルシウムが再度取り込まれて修復する再石灰化が重要です。

再石灰化促進のためにはフッ素が有効です。

フッ素は再石灰化を促進させる作用の他にもむし歯菌が出す酵素の働きを邪魔して酸を作りにくくさせます。

また酸に強い丈夫な歯にする効果があります。

 

効果的なフッ素活用法

  子どもさんの初期むし歯の修復やむし歯予防のためには歯科で定期的に高濃度のフッ素を塗布してもらうことが効果的です。

  永久歯が生え揃う小学生の頃までは3〜4ヶ月に1回はフッ素塗布をすることをお勧めします。

  自分で歯磨きができる年齢になればフッ素入り歯磨きを毎日のケアに取り入れます。

  低濃度を・毎日・家庭でを習慣にすることがポイントです。

 

ではフッ素を歯に効率良く取り込ませるにはどうすれば良いでしょう。

 ①歯磨き剤はフッ素の含有量が多いものにし、歯ブラシに半分以上は付けましょう。

 ②初期むし歯の部分やむし歯になりやすい部分から(磨き始めは濃度が高い)磨きます。

むし歯になりやすい部分(歯と歯ぐきの境目・歯の溝・歯と歯の間)

 ③2分以上は磨きましょう。まんべんなく磨くと実際には結構時間はかかります。

 ④すすぎ回数は少なめに。(すすぎすぎるとフッ素が溶け出してしまいます)

 ⑤出先や学校・職場の昼休みにも、ささっとでも磨けば効果があります。